【今月の言葉】

 花まつりは、仏教の開祖であるお釈迦さまの誕生日を祝う行事です。別名、灌仏会とも呼ばれます。毎年48日に行われ、日本には7世紀ごろに中国から伝わりました。お釈迦さまは、紀元前7世紀~紀元前5世紀ごろに、インド北部にあるルンビニ園で生まれました。生まれてすぐに立ち上がり7歩歩き、右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と言葉を発したという伝説があります。この言葉は「世界にいる人々は誰にも変わることのできない人間として生まれており、一人一人が尊い存在である」ということを意味しているといわれています。お釈迦さまが生まれたルンビニ園はたくさんの花に囲まれた場所だったそうで、誕生日の48日にはたくさんのお花を供えるようになったことから「花祭り」と呼ばれるようになったといわれています。また、花祭りではお釈迦様の像に甘茶をかけることが行われます。これは、お釈迦さまが生まれたときに、天に9頭の龍が現れ、甘い水(香湯ソーマ・アムリタ)を吐き、その水をお釈迦さまの産湯(うぶゆ・生まれて初めて浸かるお湯)に使ったという伝説が由来になっています。江戸時代以降は甘茶をかけるようになり、花祭りは赤ちゃんの健康を願うお祭りでもあります。甘茶で赤ちゃんの頭をこすると元気で丈夫な子供に育つといわれています。

 今月の言葉は、平成29526日お亡くなりになられた、松尾崎の井上登志代さんの詩です。ご家族の方が遺品の整理をしていたところ、使い残しのノートを何気なく見ているとこの「詩」に出会われました。お孫さんが花まつりに参加された時にお配りした花の種が育ち咲いた花を見て出来た詩です。花を見て美しいと感じる優しい心の持ち主の方でした。