【今月の言葉】

不思議なご縁でこのお言葉に出会いました。ユーモアを交えた親しみやすい法話で知られる薬師寺の名物管長元高田好胤和尚さんの言葉です

失われていた薬師寺金堂の復興を発願し、百万巻の写経勧進という前代未聞の方法で再建を果たされました。千五百年の日本の仏教史上、百万巻もの写経勧進の導師を務めた僧は他にはおられません。好胤和尚が唱えた写経の輪はその後、大きなうねりとなって全国に広がっていきました。

般若心経の最初に登場する「観自在菩薩」は、「観自在」と「菩薩」に分ける事が出来ます。「観自在」は、目に見える物だけではなく、目だけでは写し出すことの出来ない心の機微を見ることが自由自在に出来るという意味です。 「観自在」は私たちの苗字と同じ名称を表す固有名詞です。「菩薩」とは、お釈迦様の正しい教えを学び、実践している人の事で、一般名詞です。

般若心経の最後の偈が「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆呵」です。意味は、「行こう 行こう さあ行こう さあ皆で手に手を取り合って 清らかな幸せの世界に向かって 一緒に行きましょう」という意味です。
 物質は、分ければ分ける程小さくなります。苦しみや悲しみは、分ければ分ける程軽くなります。喜びや楽しみは、分ければ分ける程大きく広がります。私たちは苦しみや悲しみを人に押し付け、喜びや楽しみを独り占めにしようとしています。 何でも皆で

 

分かち合う優しさが大切です。高田好胤管長さんは、般若心経の心を解り易く短く纏めて下さいました。それが「空の偈」で、「かたよらない心 こだわらない心 とらわれない心 ひろく ひろく もっとひろく これが般若心経 空の心なり」と皆様と一緒に繰り返し御唱和頂いております。(薬師寺 ホームページより)