【今月の言葉】
これは以前にも少しご紹介したことがありますが、お釈迦さまが弟子のシュリハンドクに授けられた言葉です。
シュリハンドクは釈尊の弟子の一人で、十六羅漢にも数えられます。愚鈍で物覚えが悪かったと伝えられていますが、お釈迦さまから授かったわずかな偈と戒めを守り、一心に修行してついに阿羅漢果を得たといわれています。仏法が愚者も賢者も分け隔てなく導くことのできる典型として語られる人物です。
お釈迦さまは彼に一本のほうきと、「ちりを払わん、あかを除かん」という言葉を授けられました。シュリハンドクは掃除をしながら、この言葉を懸命に覚えようとしました。しかし、「ちりを払わん」を覚えると「あかを除かん」を忘れ、「あかを除かん」を
覚えると「ちりを払わん」を忘れてしまいます。それでも彼は、掃除三昧を毎日休まず続けました。
仏教では、掃除はとても大切な行いです。身の回りをきれいにすることで、心も清らかになっていきます。仏法を聞き、歩んでいくと、今まで知らなかった自分の姿が少しずつ知らされていきます。私たちは自分でも悪いと思う部分はわずかで、本当は自覚のないところにこそ大きな「心の垢」が潜んでいます。その姿を仏教という真実の鏡によって照らし出していただくのです。
年末を迎えるこの時期、一年の塵を払い、心の垢も落としてまいりましょう。