【今月の言葉】

「『失敗』と書いて『せいちょう』と読む~」は、先日お亡くなりになられた元東北楽天イーグルス監督の野村克也さんの著作「野村再生工場」の中の言葉です。

野村さんが監督時代マスメディアでぼやいていた言葉は、野村語録として記憶に残っています。組織の中で働いていると上司・同僚・部下との関係は、それぞれの立場で誰にも悩みがあるはずです。若い職員を育てる時、なかなか気持ちが伝わらない事が多いのが現実だからです。

野村監督は、『学校教育では、「5つほめ、3つ教えて、2つ叱る」のが基本だという。・・略・・・「叱ってこそ人は育つ」と私は考えている。逆に言えば期待するから叱る。もっと育って欲しいと思うから厳しくなるわけだ。それは、私の愛情なのだ』と書かれています。生徒や学生に対する教育と社会人への教育は、自ずと違ってくると

思いますが、最近の若い社会人は叱られ慣れていないというか、ほめられて育ち過ぎているのではないかと思う事が多いです。叱られたという事実だけに敏感になり、自分だけ叱られたと不満に思い、事件を起こすことが最近多いように思います。

『「失敗」と書いて「せいちょう」と読む』の中で、大切なのは、失敗を次につなげることなのだ。』と書かれています。野村監督は、『何も考えないで勝負に行ったバッターは許さない。そういう選手は次も同じ過ちをおかす。手抜きプレーをした選手も同様である。そんな選手はプロとして失格だと思う』と書かれています。

ある選手がミスをしてベンチに帰ってきた時、控えの選手が「ドンマイ」と声をかけたのを聞いた監督は『ミスを笑って許すとは何事だ!・・・略・・・傷をなめあうのはアマチュアのすることだ。戦うプロの集団がすることではない!』と烈火のごとく怒ったそうです。

組織作りで野村監督が最初に行うことは「意識改革」だそうです。「考え方が変われば行動が変わる」という言葉は、何度も目にし、耳にする言葉です。ヤクルトでは、選手にメモを取らせてミーティングをしていたそうです。『学校の勉強と同じで、やはり自分自身で手を動かさないと身につかない』と書かれています。

 

「失敗」と書いて「せいちょう」と読むという言葉が、今の私の心にとてもフィットとしています。(国立青少年教育振興機構  松村 純子さん)