奈良時代の僧侶行基の詩です。近鉄奈良駅の階段を上るとにあじろ傘を持った僧侶の銅像があります。その僧侶が行基さんです。行基さんは寺、橋、ため池、温泉など今でいう社会事業を成し遂げて人々を救い、度重なる、弾圧や禁圧を跳ね返し人々の為に尽力されました。また、灌漑事業などをはじめ、多くの社会的事業が認められ、やがて、行基さんは「大僧正」という最高位を与えられるようになりました。そして聖武天皇により奈良の東大寺大仏の造立の責任者として選ばれたわけです。

母方の家で生まれた行基さんは、15歳で出家して飛鳥寺で学び40歳で生駒山の山房にこもり、母と暮らして孝養を尽くすかたわら山林修行を積み、和銅5年(712)に修行を終えられました。その頃の事を思い読まれた詩が「ほろほろと鳴く山鳥の声聞かば 父かと思う母かとぞ思う」なのです。

皆さんよくご存じの阿弥陀経の中にも

「舎利弗よ、かの国には、いつも何種類もの色とりどりの珍しい鳥が生息しています。白鳥や孔雀、鸚鵡に舎利、人頭鳥身といわれるかりょうびんが、一身 二頭の共命鳥などです。これらの鳥たちは、昼夜にそれぞれ三度ずつ、やさしく美しく啼きます。その声は、さとりへ導く教えをのびやかに説くのです。この西方極楽浄土に住む人々は、この声を聞くことによって、皆一様に仏を念じ、法を念じ、僧を念ずるのです。」

とあります。耳を澄まして鳥の声を聞き、安らかな気持ちになってみてはいかがですか。