【今月の言葉】

 今月の言葉は、徳川家康公のご遺訓(いくん、ゆいくん)の一節です。お勤めにある法然上人一枚起請文は、御遺訓(ごゆいくん)と読みますが通常は(いくん)と読むことが多いようです。その意味は、法然上人や徳川家康公等その集団にとって重要な故人が家族や家来、弟子たちに残しておく大切な言葉を意味します。

 この御遺訓は生涯をかけて平和な国づくりを成し遂げようとした徳川家康公の理念や理想の精髄が今日に伝えられたものです。御遺訓に示された人生訓は、正にその生涯から生まれたものであり、その内容はごく簡単な言葉でありますが、実行はなかなか難しいものですが、この御遺訓通りの生涯を歩み長期平和の礎を築きました。

「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。」

 内容は、

「人の一生というものは、重い荷を背負って遠い道を行くようなものだ。急いではいけない。不自由が当たり前と考えれば、不満は生じない。心に欲が起きたときには、苦しかった時を思い出すことだ。がまんすることが無事に長く安らかでいられる基礎で、「怒り」は敵と思いなさい。勝つことばかり知って、負けを知らないことは危険である。自分の行動について反省し、人の責任を攻めてはいけない。足りないほうが、やり過ぎてしまっているよりは優れている。」

 今この言葉を深く味わい、受け止める必要があるのではないでしょうか。