【今月の言葉】  

自分自身の心を丸くするためにそぎ落とさなければならないものに「三毒煩悩」があります。「三毒煩悩」とは「貪欲(とんよく)・瞋恚(しんい)・愚痴(ぐち)」といいます。あらゆる生きものにも「欲」はあります。人間の欲というと、食欲、睡眠欲、性欲がありますね。例えば、ほとんどの動物は満腹になったらそれ以上食べようとはしませんが、人間は満腹になっても、次に出されたメニューが高級食材だったら無理してでも食べる。言い訳もちゃんと用意しています。「別腹があって…」と。これで十分ですと言わないのです。食べ物に限らず、もっと欲しい、レベルの高いものがほしい、たくさんほしい、いくら持っていてもまだほしい…。または、人に分け与えたくないという思いも生じます。そういった限りのない欲のことを「貪欲」といいます。

「瞋恚」というのは、自分は正しいというところを譲らないため「不具合はすべて他者にある」というところに立つことで、争いが起こったり、うまく物事が運ばないときに、怒り憎しみ妬み嫉みになっていくということですね。それを「瞋恚」といいます。

「愚痴」の「愚」は「気が付かない」という意味です。つまり「無自覚」です。仏教の目標や目的は「覚」です。この「覚」が実現したら悟りですが、この反対の言葉が「愚」です。気が付いてない、本当のことを分かっていない。決して知能が低いという

意味ではありません。仏教に知能は関係ない。

 

 私たちは日頃欲をかいたり、つまらないことに腹をたてたり、他人の悪口を言ったりしながら、貪・瞋・痴(とん・じん・ち)の三毒にまみれた、カドのある心で毎日を送っています。せっかく満月のような、まん丸い仏様の心でこの世に生まれてきたのに、いつの間にかあちらこちらへ角の出た、とがった心で暮らすようになってしまいました。大切なのはまず自らを調え、丸い心になる努力を致しましょう。