【今月の言葉】

仏教には、人間形成に努めて幸せや安らぎの境地に至る道として六波羅蜜(ろくはらみつ)の行があり、その第1番目が布施です。布施の「布」は分け隔てなく、あまねく、「施」は文字通りほどこすという意味です。万人に等しく、施しをする人はもとより、受ける人の心も清く、布施の内容も清らかであることが大切であると説かれています。世間一般の損得勘定では、与えた人よりも与えられた人の方が得をするようなイメージですが、布施は、ほどこした人の方が幸せな気分になり、与えられた人よりも与えた人を幸せにするのではないでしょうか。『雑宝蔵経』に無財の7施を行うことで「大いなる果報を獲(え)る」と説かれている通りです。私たちの日常生活においてお金がなくても、物がなくても周りの人々に喜びを与えていく、少しでも喜んでいただける方法がある、それが「無財の7施」の教えです。このような身近な奉仕や実践によって、自己を高めることができるとともに、世の中の人々の心を和ませることができるのです。あらゆるものがつながりあってこの世の中は成り立っています。人との出会いやつながりはもちろん、お互いの助け合い、支え合いの中で私たちは生きているのです。